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2020年8月24日月曜日

【キャリア教育3】指導目標を達成するためには何が必要か

1.3 指導目標を達成するためには何が必要か


指導目標の立て方を理解してもらったところで次に進んでいきたいと思います。

では具体的に指導目標を達成するためには何が必要かということについて考えていきたいと思います。

端的に言えば、指導目標を達成するためには授業の充実が必要ですが、では現在どのような授業が求められ、 どこに視点を当てて授業改善していくべきかについては、 改めて考えてみる必要があると思います。 

1.3.1 授業の基本構造

大きい前提からお話をします。授業の基本構造は問いに対する答えで構成されています。



問いのない授業は、教師の一方的な説明や作業指示が多く、生徒の学習活動も学びではなく作業である場合がほとんどです。生徒側から考えてみると、この授業は何を考える授業なのか、どのような力がつくためにやっている授業なのかということに敏感に反応します。大人だってそうです。今やっていることが意味があることなのかどうなのかということは大きな関心ごとです。 学ぶ内容は生徒自身にとって切実な課題や考える価値のある問題であるのが望ましいということは言うまでもありません。提示する問いによって、 生徒の興味関心を大きく引きつけることができれば 学習目標の達成に近づくことができます。 

教師の側から見ると、自分の教科の見方考え方を通し、何ができるようになるかということを念頭に学習目標を設定し、学習目標に迫る問いを設定します。簡単に問いを設定しますと書きましたが、これが一番重要で一番難しいことでもあります。この問いの設定については、後ほど詳述します。

学習目標の設定と問いの設定を受け、 適切「学習活動」を選択し組み立てていきます。 教師という業種の人々は実践知の高さゆえ、 授業を考える時どうしても生徒の活動に注意が行き、学習活動が先行してしまいます。つまり、この1時間何をさせるかということが大きな関心ごとになります。生徒を動かすということに優先的に目が行くため、教材・学習目標・「問い」に対して意味のある学習活動であるかということに対しては あまり自覚的ではない場合があります。

教材の特性や学習目標、問いに対し、表現活動の充実した学習活動がふさわしいか、生徒それぞれのアイデアを共有させる学習活動がふさわしいか、 また個別に探究させる学習活動がふさわしいかは、自ずと異なってきます。 

いつでもどこでもどのような教材でも、どのような学習目標でも、どのような問いでも、常に同じような学習活動というのは基本的にありえません。 

「答え」の部分については、学習の初めに提示した問いに対して正対したものになっているかどうかが重要です。 またここでは生徒がなるほどと言って腑に落ちるような説明であることが 大事です。ここは教師の指導技術の 核になる部分です。通常私たちが授業の上手い先生という時、この説明のうまさを指している場合がほとんどです。 

生徒の側に期待される効果としては、 一つの知識がメタ認知化され、 思考が深化していくことを通して、次の学びにつながっていきます。


1.3.2 「授業の基本構造」と「授業の中で活用させる資質能力」

この「授業の基本構造」に第1章で見た「授業の中で活用させる資質能力」を並べてみると下図のようになります。

「授業の中で活用させる資質能力」が「基本構造」のそれぞれ何に該当しているか見ていきたいと思います。首里東高校として生徒に身につけさせたい力が、授業の基本構造にどのように対応しているか改めて捉え直してみましょう。





1.3.2.1 単元の目標の共有

「目標を持たせているか、見通しを持たせているか」は、 単元の導入や授業の導入で生徒と共有すべき情報です。 「今回の単元はこういうことをしますよ」、「○○間配当で こういう学習活動をしますよ」 ということを生徒と共有することで 生徒の学習意欲を引き出すだけでなく、主体性を育むことが期待できます。我々大人でも同じです。この仕事は、どういう全体像をしているのか、 どこに仕事の山があるのか、だいたい何時間ぐらいかかる仕事量なのか、前もって分かっているのと分かっていないのとでは仕事に対するモチベーションに大きな違いがあります。 授業でも同じことがいえます。

1.3.2.2 学習活動

次に「話す聞くの場面を作っているか?」「挑戦させているか?」「試行錯誤させているか?」は、学習活動にあたります。 話す聞くの学習活動を行うためには、 自分の意見をまとめあげる学習活動が必要であり、 何についてまとめるかは、「問い」にかかっています。 挑戦させるためには、それに値する学習課題が必要です。試行錯誤させるためにも、それ相応の課題が必要です。学習活動のためには、それを行うにふさわしい「問い」が必要です。

1.3.2.3 ふりかえり

最後に、「発展的・系統的に指導しているか?」は、あるひとまとまりの学習の次の段階であったり、 関連する学習指導であったりします。そのためには、 今行った学習をきちんと意味づけ、 改めて捉え直す必要があります。いわゆる「リフレクション・学習のふりかえり」の段階です。 


1.3.3 単元の流れ

授業の中で活用させる資質能力の三つのパートを、 単元の流れとして授業の基本構造に対応させると次のようになります。



「目標を持っている。見通しを持っている」は「単元目標の共有・単元の見通しの共有」、「話したり、聴いたりしている」「挑戦している」「試行錯誤している」は、「学習活動」、「発展・系統的に学習している」は「学習のふりかえり」に対応することがわかります。この部分は、いわば「生徒が頑張るところ」です。

先程説明で、授業の基本構造は「問い」に対する「答え」だとお話しました。では、この「問い」「答え」はなにかと言うと「先生が頑張るところ」です。だから、生徒に身につけさせたい力は入ってこないのです。

整理すると、一つの単元は原則として

  1. 単元目標の共有
  2. 「問い」の提示
  3. 学習活動
  4. まとめ
  5. 学習のふりかえり
の流れになります。

その中で、生徒に頑張らせるところは、

1.単元目標の共有
3.学習活動
5.学習のふりかえり

です。


先生が頑張るところは

2.「問い」の提示
4.まとめ

です。

1.3.4 まとめ

まとめます。指導目標を達成するためには何が必要かという問いでした。

必要なのは授業の充実でした。

では授業はどのようにして充実させるかというと、基本構造をきちんとおさえるということでした。

基本構造の中の核は何か。

それは「問い」です。

各教科の指導目標を達成するためには、「問い」を研ぎ澄ますことがなにより重要なことになります。



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