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2020年6月11日木曜日

【遠隔・第1講】国語科の特性として、遠隔授業を組み立てやすい『型』はあるのだろうか?


沖縄県立高等学校国語科職員のみなさん、こんにちは。
県立学校教育課の黒島です。

各学校においては、遠隔授業指導計画作成のための研修が実施、または計画されているところだと思います。

遠隔授業の動画作成は、ほとんど先駆者がいない仕事です。
さらに、学校を通常の状態に戻しつつ授業の準備をし、目の前の生徒に時間をかけている中での、時間的に厳しい業務です。

「遠隔授業の準備?どうやったらいいの?」
「具体的に、何を作ったらいいのか?」
との声がひしひしと伝わってきます。

本サイトは、そのような声に少しでもお答えできればと思い、立ち上げました。


ここでお話しようとしていることは、なるべくいろいろな学校現場で応用が利くようにと「一般化」しているため、個別性が失われいているところもあります。
そこは、先生の学校の状況に合わせて、生徒の学習状況をイメージしながら頭の中で「変換」しながら読み進めていってもらったらありがたいです。

初回のテーマは、「国語科の特性として、遠隔授業を組み立てやすい『型』とは何か」を考えていきたいと思います。

「型」にはめるわけではありませんが、「守破離(しゅはり)」という考え方に則り、一度基本の「型」を考え、そこから状況に合わせてカスタムしていくというのが取り組みやすいのではないかと思います。

今回の内容は、下の1~3で構成しています。
時間がない方は、「3.結論」だけどうぞ。

  1. 教科の特性
  2. 遠隔授業の実施形態
  3. 結論 


1.教科の特性

大雑把に、ざっくりいきます。また、「遠隔授業」という限定された環境での話です。
国語科には国語科の特性があります。
国語科の特性に従い、何をどのように教えるかについて考えてみたいと思います。

(1)何を教えるか(指導領域のお話)

評論・小説・古文・漢文の話ではありません。
「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の話です。

「遠隔授業」においては、「話すこと・聞くこと」の領域を指導することが大変難しくなります。当然ですね。
環境が整えばできないこともないかもしれませんが、評価の見取りがこれまた難しくなります。
したがって、「書くこと」「読むこと」を基本に授業を計画すると、取り組みやすいと思います。


(2)どのように教えるか(問いについての考え方)

「書くこと」「読むこと」を学習活動の中心にした場合、生徒が「書いたり」「読んだり」する時間が必要になります。
生徒がそのような学習活動を行うためには、「書くこと」や「読むこと」に向かわせるための「問いの設定」が必要になります。簡単に言うと「課題」です。
この「問い(課題)の設定」の在り方に、「日本語運用能力を高める」ことを目的とした国語科の特性が表れます。

よく引き合いに出される例として「読書感想文を書く学習活動は、『書くこと』の指導領域か、『読むこと』の指導領域か」というのがあります。
答えは何だと思いますか?

答えは「学習指導者の単元目標の設定による」というものです。

ある文学作品を読み、読みを深めるために「書く」という学習活動を手段として用いるのならば、「読むこと」ですね。
逆に、構成や展開を考えて書く力を高めるために、ある文学作品を題材に「読む」のなら、「書くこと」ですね。
どこに指導の力点を置くかで変わってきますね。

まとめますと、あるテキスト(教材)を使って
・「書く」力を高めたいと狙っているなら、「書くこと」に特化した課題の出し方を
・「読む」力を高めたいと狙っているなら、「読むこと」に特化した課題の出し方をする、ということが大切になります。
ここ結構大事です。

そして、「遠隔授業」といういつもとは違う学習環境のなかでは、じっくり考えて書く課題や、じっくり読み深める問いが、とっても大切になってきます。


2.遠隔授業の実施形態

(1)リアルタイム型(今、一緒に進めることができる)

①特徴

同時双方向型の授業形態です。ZoomやTeams等で実施することができます。

 
 

Teamsは動作がちょっと重い感じがします。40名同時にやりとりするのは現実的ではありません。

ZoomはTeamsより軽快です。一画面の分割数もTeamsより多く、一度により多くの生徒を映し出すことができます。


②準備

遠隔授業の準備は、オンデマンド型より少し楽です。
従来教室で行っている授業を、規模をちょっと小さくして「流す」。
したがって、教科書と(できればワークシートと)黒板があれば、準備完了です。

放送機器の準備はちょっと大変かもしれません。
カメラ付きPCの前に座って授業するなら、PCだけあればいいですが、黒板の前に立って授業そのものを配信するなら、
・ビデオカメラ
・配信用PC
が必要になります。
人数も何名か必要になるかもしれませんね。

③国語科の特性との相性

何事においても相性というものはあります。
工夫次第だとは思いますが、「発表」や「討論」、「意見交換」等、インタラクティブな学習活動を仕組まなければ、同時双方向型(リアルタイム型)を選択するメリットは薄いと思います。
また、板書等をしている時間を考えると、間延びした感じがでることも否めません。

もちろん、「うちの学校の生徒は、その時間声かけしないとやらない」という切実な状況があって、同時双方向型を選択する学校もあろうかと思います。全然かまいません。生徒の実態に応じて使い分けてください。


(2)オンデマンド型(あとからいつでも見ることができる)

①特徴

YouTubeなどのように、動画をアップしておいて後から繰り返し視聴が可能です。
一時停止や巻き戻し、早送り、倍速での視聴ができます。
(予想ですが、たぶん生徒は1.2倍速から1.5倍速くらいで見ると思います)


②準備

リアルタイム型に比べ、動画を準備するという大きな違いがあります。
準備する動画は、いろいろ考えられますが、大手予備校の配信動画や、民間業者の学習支援アプリでの授業動画、または有名YouTuberの動画をイメージしてはいけません。
あれはできません。また、必要ありません。
※準備する動画については、別記事で詳細に解説しようと思います。

ここでは、「学習課題の指示」や「課題の解説」などについて動画を作成し、特定の場所にアップロードしておく必要がある、ということをおさえておいてください。


③国語科との相性

「生徒にじっくりと考えさせる時間を与える」という点において、オンデマンド型は国語科と相性がいいように思います。

「学習課題の指示動画(15分程度)」→「生徒の学習活動」→「課題の解説(15分程度)」という流れが無理なく作り出せると思います。



3.結論

「書くこと」「読むこと」の領域で、「学習課題の提示」→「生徒の学習活動」→「課題の解説」が基本の型。



もちろん、生徒の実態に応じ先生なりに色々とカスタマイズしてください。



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