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2020年6月13日土曜日

【遠隔・第3講】国語総合「C読むこと」古典(古文)教材ではどのように作成すればよいか?

先生方、こんにちは!

前回までに、遠隔授業の「型」と「作成ツール」について考えてきました。
第3講では、実際に「内容」について見ていきたいと思います。

もちろん頭の中で現任校に「変換」しながら読んでください。

今回の記事の目的は、「どうやって作るか」をイメージしてもらうことです。
「どう指導するか」ではありません。

具体的には「国語総合『C読むこと』古典(古文)教材」を使用して作成してみようと思います。

では、いきましょう。

1.単元、またはひとまとまりの学習範囲での授業デザインの考え方

ここでは、「オンデマンド型・PowerPoint動画スタイル」で作成することをモデルとして考えてみたいと思います。

まず、
  1. 指導領域
  2. 育成したい資質・能力
  3. 教材
  4. 単元目標
  5. 単元目標に迫る問い
について最初に考えてみましょう。動画を作る際には、通常授業と違って内容を精選する必要があります。そのときに役立ってきます。


 (1)指導領域
  •  読むこと
 (2)育成したい資質・能力
  •  知識・技能・・・文語のきまりの理解(「言語文化」2内容〔知識・技能〕(2)イ)
  • 思考力・判断力・表現力・・・展開を的確に捉える力(「言語文化」2内容B読むこと(1)ア)
 (3)教材
  •  児のそら寝
 (4)単元目標
  •  「児のそら寝」を読み、文脈の推移について、接続助詞を手がかりにして、把握することができる。
 (5)単元目標に迫る問い
  •  古文で文章を大づかみするにはどうしたらよいか?


2.事前指導(課題の提示)

「文語のきまりを理解」させながら、「文章展開を的確に捉える力を育成する」ための遠隔授業を考えていくことにします。通常の授業でも「できるのか・・・」と思ってしまうような目標ですね。

教材は「児のそら寝」。この教材は、短く平易なのに、古文特有の主語の省略があるので、展開を捉えることを学習するのに最適ですね。

ここでは、あくまでも文章の流れを捉えることをねらいとしています。特に古文の場合は「主語」が省略されることによって、筋が追えなくなることが多いので、古文初学の段階で理解させたいところです。

<閑話休題>
ここで注意してほしいことがあります。生徒の実態に応じ、色々な課題の工夫が考えられます。ドリル形式や知識・技能の定着に重きを置いた課題などについても、決して否定されるべきではありません。
しかし、どのような学習課題も「なんのためにやっているのか」ということを学習者が理解できるようにしてください。提出のための課題にならないということが大事です。
例えば、古文であれば、このあとの学習段階として古典文法が考えられますが、学習者が学習の見通しを持てるよう説明してください。
読解や解釈に生かすための「文語のきまりの理解」であり、文章の読解や解釈は、自分の考え方を深める手立てとしたいですね。
</閑話休題>


(1)構成を考える

①「アイディアだしツール」と「整形ツール」

遠隔授業作成用のスライド作成に限らず、プレゼンテーション資料を作成するときに、いきなりパソコンを立ち上げPowerPointアプリを開き、無地のスライドを睨んではいけません。

私も経験がありますが、驚くほど何も浮かんできません。さらにパソコンの操作に気をとられてしまい、注意力が散漫になります。

人それぞれだとは思いますが、私の場合は「紙とえんぴつ」です。文字通り「えんぴつ」です。


アイディア出しツールは色々あり、デジタルの方がはかどるという先生もいると思います。ツールは問いませんが、構成を考えるときは、それに注力できるよう頭の中を「シングルタスク」にしておきましょう。

PowerPointは最終的に「整形するツール」と考えていた方がよいでしょう。

今回は、「展開を的確に捉える力」を育成したと考えています。そうするためには、文章全体をざくっと捉えることに学習活動の力点を置かなければなりません。

文章を大きくつかむためには、まず主語の把握です。主語を把握するためには、意味のまとまりと切れ目での主語の交代をおさえることです。

目印は接続助詞です。ここまでくると、「育成したい資質・能力」と「単元目標」と「単元目標に迫る問い」が結びつき始めてきたと思います。「学習活動」は、「どこに傍線を引いて、何と問うか」で見えてきます。

そろそろ「具体物の作成」にとりかかってもいい頃です。 

②説明の流れ

ついつい生徒の「学習活動」から考えてしまいがちですが、「何を考える単元なのか?」という「問いの提示」から考えることをお勧めします。特に遠隔授業の場合は、軌道修正が難しいため、説明を絞る必要があります。
(「学習活動」と「作業」については、別項でお話ししたいと思います。)

「問いの提示」→「学習の見通しの説明」→「学習課題」という流れが、受け手にとって学ぶことの意味と結びつきやすいと考えています。


作成スライドは、問いの提示で1~2枚、学習の見通しで1~2枚、学習課題の説明・提示で3~4枚程度が目安でしょう。


(2)スライドを作成する

ラフデザインに沿ってアイディアを実際にPowerPointに落とし込んでいきましょう。

問いの提示 


学習の見通し



学習課題






ポイントは、一枚のスライドに文字を詰め込みすぎない、ということです。「聞きながら」「読む」というのは、なかなかつらいものがあります。必要最低限に抑えましょう。

「アニメーション」を効果的に使うと、「聞いていること」と「読んでいる部分」を一致させることができるので、負担をかけずにすみます。

また、国語の場合は「縦書き」なので、どうしても一行分の情報量が少なくなります。見やすさを配慮し、文字が詰まるようでしたら、スライドを分けて作成しましょう。今回のスライドでも、本文の部分は苦労しました。国語は、本文(問題文)の見せ方が難しいですね。

課題の提示・説明が一番重要です。「何を(目的)」「どのように(方法)」「何を参考に(手段)」「どの程度(目標)」ということがはっきり伝わるようにすることが大切です。

ワークシートもそれに沿った作りになっていることが望ましいです。


(3)各スライドに音声を録音する

PowerPointおよびKeyNoteは、スライド一枚ずつ音声を録音することができるので、とても便利です。

一枚のスライドの中でも、「一時停止」がありますので、長くなりそうな場合は、いったん止めて、休みながら作業するといいでしょう。

ある程度「勢い」が大事です。

(4)動画として書き出す

ビデオとしてエクスポートしましょう。

参考動画

3.事後指導

学習課題に対して、解説を行います。生徒の反応がないため難しいですが、「あれもこれも」ではなく、「問いに対する答え」を中心に、「なぜそうなるのか」という点を明らかにするつもりで解説をつくると、案外うまくいきます。

今回は、「古文で文章を大づかみするにはどうしたらよいか?」という知識・技能に寄った単元目標に迫る問いでしたので、「○○したらよい。」「○○のように考える」という、ちょっとテクニック的な答えになりますね。

今回の参考動画では、事前指導(課題の提示)と事後指導(解説)が一本になっていますが、実際の指導では分割して作成したほうがいいかもしれませんね。



4.まとめ


  • 授業動画を作る際には、内容を精選する。
  • いきなりPowerPointに打ち込み始めない。
  • 事前学習のスライドは「問いの提示」→「学習の見通しの説明」→「学習課題」で。
  • 事後学習は「問いに対する答え」を中心に明快に。




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